助太刀

相手が一斉攻撃を仕掛けてきた 流石に足だけしか使えないこともあって なかなか数が減らない 『(やっぱり、ハンデが大き過ぎたか…)』 刹那     ドォォォォン 大きな破壊音が響き渡った 煙の中に、三人の影がみえた 目を疑った そこには 万事屋の三人がいた 神「!大丈夫アルか!」 『大丈夫だよ。そうだ!この枷はずしてくれる?』 神「わかったヨ」 外部からの衝撃に弱いだけあって いとも容易く砕け散った 銀「これ、お前のだろ」 差し出されたのは私の傘だった 『ありがと』 銀「にしても、何だ。こいつらは」 『知らない方がいいよ』 「ほう。まだ春雨の団員を連れてきていたか」 『何言ってんの?春雨は私だけ』 やっとまともに殺ることができる 手が解放されてすぐだった さっきまで手こずってたのが嘘のようで 床には死体がゴロゴロ転がっている 今、この場に立っているのは私と万事屋だけ 『なんでここに来たの?』 新「たまたま、さんが連れて行かれるのを見たからですよ」 『………』 新「まさか春雨の団員だったなんて…!」 神「何で言ってくれなかったネ?」 『知らない方がいいでしょ』 神「そんなことどうだっていいネ!私が聞きたいのは、バカ兄貴が何所にいるかアル!」 『兄貴…って神楽が言ってた?』 神「そうネ。あいつは春雨にいるアル。名前は“神威”」 私は耳を疑った 確かに神楽は神威と言った 兄妹なら納得がいく 『そ…か……道理で似てるわけだ』 銀「知ってんのか?」 『知ってるも何も上司だし…』 新「上司!?」 神「なら私も連れてってヨ!あいつの根性叩きなおしてやるアル!」 『それはできない。私はまだ新人だしね。勝手な行動は許されないから ……でも知らなかったな…まさか妹がいるなんて』 そんなこと、何も言ってなかったよね そもそも家族のことすら話そうとしなかったから… 新「新人なら知らなくて当然な気もしますけど…」 『……それもそうだけど…ま、そろそろ行くわ。迷惑かけたね』 今はそんなことはどうだっていい そばに居てくれる ただそれだけで… 翌日 取引を無事に終え 私は地球を飛び去った

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