身元不明の少女

一向に起き上がる気配のない少女 放っておくわけにも行かないから 仕方なく家に連れて帰ることにした 神「どうしよっかなー」 連れてきたはいいものの 着替えも何もない 取り合えず毛布をかけておいたけど 風邪引いちゃうよな… まず、神楽に言ったら騒がれそうだし ハゲには言いたくない まず俺の部屋にでも運ぶか ふいと後ろを向くと ソファにはおらず 窓の前に佇んでいた 神「起きたんだ」 声をかけると少女は勢いよく振り返った 神「ちゃんと毛布かけてないと風邪引くよ」 毛布を渡そうとしてもなかなか受け取らないから 仕方なくかけてやった 神「名前、なんて言うの?」 少女は首を横に振った えっ…? 神「名前ないの?」 少女は頷いた 困ったもんだ 名前はない しかも喋らない どうすればいい 神「とりあえずこっちきて」 警戒はしているものの ちょこんと傍に座った 神「あのさ、君は何所からきたの?」 少し俯いた 神「じゃあ、帰るとこは?」 横に首を振る これまさかの家出? 神「君ってさ、まさかだけど家出してきたの?」 反応はなかった 身元不明の少女 よくはわからないけど この少女を守りたい…そう思った

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