Sunday

最初のうちは折原がぐいぐい引っ張っていたが いつの間にか私が引っ張りまわしていた 次はここがいい、とか あそこ行きたい、とか ちょっと休もう、とか。 気づけば日が傾いていて 最後に行きたいところがあるから と折原のほうから言ってきたのできた展望台 池袋の街が夕日に染まっている そんな街並みを見下ろしながら思う なんやかんやで私も楽しんでたよな 寧ろ私が連れまわしてたし… 今日みたいに、なんていうか 変なこと企ててたり 怪しげな笑みも浮かべてなかったら全然いいのになー なんて思う 「今日はありがと。ちょっとは見直したかな」 「ちょっと、か」 「うん。思ってたよりは悪くなかった」 「じゃ、そろそろ本題に入ろうか」 声のトーンが少し下がり 先ほどまで纏っていた空気が一変 真剣な雰囲気へと変わっていた 一瞬にして空気がここまで変わるとは… 「付き合ってほしい」 「…それ、二回目」 「さっきのはジョーク、今のは本気だよ」 言ってることは本当なのだろう しかし、私の気持ちがほんの数時間で変わるわけじゃない 「何回言っても同じ。私は…まあ、今日でちょっとは普通寄りになったかな。嫌いから」 「それは進歩と捉えていいのかな…?」 ちらりと横目でみると 夕日に照らされた横顔が少し悲しげにみえた …ような気がした ムダに重たい空気が辺りを包む なんだこの感じ… なんか私が悪いことしたような気分になってきちゃったじゃん! どうにかこの空気を打破すべく口を開こうとするが 何を話せばいいのかわからなかった 「あ〜…でもあれだよ?付き合うとかはなくても、まあ友達くらいなら全然ー…」 「ふぅん…」 反応うすっ! というか、いつもみたいに饒舌になんか話してくれ 間がもたないから 「友達からねぇ。ま、いいか。まだチャンスはあるってことで」 「はあ!?そんなこと言ってないし!」 「ということで友達第一歩として、まずは名前で呼んでよ」 なにが、ということで、だよっ… 「折原臨也」 「いや、フルネームじゃなくて名前」 「折原」 「い・ざ・や」 「お・り・は・ら」 「そこは譲らないんだ」 「だって折原は折原だもん。あ、さんつけたほうがよかった?」 「いや、そのままでいい」 Sunday リセット。スタート →オマケ

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