光を映さない目に手は大量の血 ![]()
パンッ
静かだったこの場所に乾いた音が響く
「いやっ…」
少女なりの抵抗だったのだろう
だが男にとっては小さな抵抗にすぎなかった
男は少女と目線を合わせるようにしゃがみ込んだ
「君がこの村の人間かどうか知らないけど、ここにはもう俺と君しかいないよ。殺したからね」
少女はビクビクと震えたまま
「殺されたくなかったら抵抗しないほうがいいよ。ここで飢え死にしたくなかったら俺について来るといい」
そう言ってスっと立ち上がった
少女は伏せていた顔をほんの少し上げ男を見上げた
番傘を差し、手には血が滴り落ちていて
この場に似つかわしくない
不気味な笑顔を浮かべていた
その瞳に映るのは光ではなく
修羅―…
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