会いたくて会いたくなくて

神「やっと会えたね」 突然後ろから聞こえた あなたの声 うそ……だよね…? 二人の間にヒュウと風が吹く 神「」 聞き間違えるはずない 今、一番会いたくて 今、一番会いたくなかった人の声 何でここにいるの? なんで…なんでっ…… 一歩づつ じょじょに近付いてくるのがわかる 『こないでっ!』 神「なんで?」 『私は、もう全部捨てたの。何もかも…』 神「…俺も捨ててきたよ」 『えっ…?』 神「俺は以外いらない。それにさ…」 一度言葉を切る すると ふわりと後ろから包みこまれた 神「約束したでしょ 一人にしないって」 『…それ、覚えてたの?』 神「当たり前だろ」 『忘れちゃったと思ってた』 小さく笑って 静かに目を閉じた 抱きしめたときは 少し驚いた 最後に会ったときよりも かなり痩せていて… は小さく笑うと その場に崩れるように倒れ込んだ 久しぶりにみたは 泣いていて だけど、どこか安心したような表情で 静かに眠っていた

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