消したい影

神「裏夜王?」 星「そうだ。裏夜王ってのはお前の師匠の鳳仙よりも実力が上でな、だが、コイツのこと知ってんのはそんなにいねぇ」 神「なんで?」 星「表立って争いとかはしないからな」 神「………」 星「だがな、ある日そいつはある女に興味を持った。その女はお前らのライバルでもある嶺羅の幹部だった」 神「嶺羅って幹部は全員辰羅族なんでしょ」 星「そうだ。それに辰羅族の奴らは夜兎をよくおもってねぇからな」 神「ふーん。それのことと関係あるの?」 星「ああ。裏夜王が凱流、女は妃乃って言ってな。 ある日妃乃が子を孕んだんだ。その子どもがだ」 私はギュッと神威の服の袖を握り締めた それに気づいた神威が ポンポンと頭を撫でた 聞きたくないんだ この後の話が……… 星「その二人の交際は誰にも知られてなかった。 だが、ある日二人の関係が嶺羅にバレたんだ」 神「………」 星「それで嶺羅の幹部らが下した結論、妃乃と凱流を殺すってことになった。 そして二人対嶺羅の戦いが始まったんだが…後のことは知らんがとにかく言えるのは、その戦のせいで嶺羅の人数が減ったことぐらいだ」 神「あっそ。やっぱ知らn『その二人は私をこの戦に巻き込まないように部屋の奥に隠した』 神「…」 『両親ともその部屋には一人たりとも通したりしなかった。 辺りは血と血の臭いが広がっていた。 けど、私は両親の力になりたかったから…』 神「ムリしなくていいよ」 『…いいの。もうここまで言っちゃたしね』 そして私は 再び過去を話し始めた

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