ねぇ、届くかな?

常世の街、吉原。 そう呼ばれてはいるが 今は空を拝むことができるようになっている。 「、顔色が悪いけど大丈夫かい?」 日輪が気にして声をかけてくれたが 今日ばかりは休みたくない 『日輪様は、私に休めとおっしゃるのですか…?』 「今日が大事な日なのはよく知ってるさ。 だけどね、自分の体は大切にしてやらないと」 『…わかってます』 私は広い建物内を歩き ひとつの部屋に入る 窓からは吉原の街を一望することができる そこにまだ、彼はいない ここにいてもすることはないのだが 何もすることもないので ただ通りを歩く人をぼんやりと眺める 身体が重い 意識がふわふわしてきた 時間まで少し横になっていようかな 横になるとすぅっとすぐに意識は深く沈んだ。

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