壊れた兎

人に会いたくない とはいえ お腹が減っているのも事実 仕方なく食堂に行く 美「さん、大丈夫ですか?」 『大丈夫』 嘘 大丈夫なんかじゃない 私の中の闇が渦巻いている 美「ならいいんですけど…」 他の団員は私をみてはヒソヒソと話をしている 蘇る 記憶が、鮮明に 蘇る 奥深くに根付いている闇が、衝動が 殺シタイ 原型ヲ留メナイクライ グチャグチャニ 気がつけば殺していた 頭を握り潰し 出ていた内臓を踏み潰す 血が私をぬらしていく タリナイ モット モット 血ヲ─…     シュッ 誰かの拳が横切る 神「ねぇ、俺と殺り合わない?」 一気に全身を駆け巡る 恐怖 冷ややかなその笑顔に 震える 恐怖に 動けない 動け…! 動けっ! 体が言うことを聞かない 神威の手が私の首をつかみ その手に力を加える 『うっ……ぐ………』 神「抵抗しないの?」 できない 体が動かない 阿「団長やめろ!」 神「阿伏兎のくせに邪魔するの?」 阿「場所をわきまえろ」 渋々と言った感じで首から手がはなれた 私はその場に膝をつき 暫く動けずにいた

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