黒い雲

昼、屋上から戻ろうとすると ガチャリと扉が開き 数人の女子生徒が入ってきた 「あんたがね」 「聞いたわよ。あんたってサイテーな奴だったのね」 「もう私たちの視界に入ってこないで」 そう言っていなくなった 『なんで……』 これも榎本さんたちが仕向けたの? なんで私はこんな目に遭わなきゃいけんあいの? なにもわからないまま チャイムが鳴ってもその場に立ち尽くしていた 教室にもどる道中 噂はすでに学校中に広まっていた 通りすがるたびに罵声を浴びせられる 耳を塞ぎたくなる いやだ 聞きたくない 逃げるように足早に 廊下を歩いた はやく帰ろう そう思いながら

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