太陽は隠れた

翌日 普段どおりに登校した 教室に来るまでの廊下 周りからの視線が痛い ヒソヒソと通り過ぎる生徒達の声が聞こえる 「ねぇねぇ、あの子じゃない?榎本さんの悪口言ってた子って」 「えっ!そうなの!いい子ぶってるんだ…」 「あんまり関わらないほうがいいよ」 私には身に覚えのない噂 教室に入っても同じ すると、多分噂をばら撒いたであろう本人とその仲間達が登校してきた 「あ、榎本さんたちじゃない」 「かわいそーだよね。さんに陰口とか言われてたんでしょ」 「そうそう。ヒドイよね」 榎本たちは哀れむような目でみられ 私は逆に“何あいつ”的な感じの目でみられた 〜昼〜 周りからの目がいたくて屋上に向かった 扉を開けるとブワッと一気に風が吹きこむ 「あら、はやかったじゃない」 振り向くとそこには 榎本さんほか取り巻きの人たちがいた 「ね、わかったでしょ?」 「あなたの本性暴くためにわざわざやってあげてるんだから」 私は 自分を偽ったつもりはないし ましてや何かやらかした覚えもない 全ては向こうの勘違い 仕組まれた罠 「まだ始まったばっかなんだから逃げないでよね」 そう言って屋上を去っていった さっきまで照っていた太陽が いつのまにか 雲に覆われていた

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