遠い星を数えて
温かい そう感じて目を覚ました。 あぁ、私生きてたんだ と思った。 「おはよう。」 声がした それは紛れもなくあいつの声で そして忘れることができなかった 温もり 『臨也…?』 そう、臨也だ。 何で 何でここに…。 わけがわからない。 外は雨が降り続いている。 どうやら廃屋らしい。 こんな場所が近くにあったのだろうか…? 「まったく、勝手に居なくなって 俺が放っておくとでも思ったの?」 抱きしめる腕に力が少しはいった気がした 『…そろそろ、放して』 これ以上触れていたら また、臨也という毒に溺れてしまいそうだったから。 しかし臨也は放そうとしない 「大分雨が上がってきたみたいだし、行こうか」 ここはどのあたりだろう? 『何で…放っておいてよ……』 私にはもう戻る場所なんてないんだ。 帰る場所なんてないんだ。 「見捨てるわけないじゃないか。 現に、俺がここまでわざわざ来てるんだし。 なんでかわかる?」 『知らない』 私は言い切る。 自惚れないようにするために。 知らないふりをするために。 「わかってるくせに」 そう言うとまだ少し雨が降っている中 歩きだした。 「愛してるよ、」 *end* - 5 - << |