私自身は何も知らなかった。
触れる事ができることも初めて知った。
そりゃ、壁とかを透けるとか
そういう類の事ができなかったのだから
当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
でも、相手に触れられることができるとは…。
今この瞬間
消えようとしているこの時
感じた温もりはきっと忘れないでしょう。
温度を持たない私たち幽霊は
知る事ができない温もり
懐かしい人の温かさ
感じたら忘れられなくなってしまう。
まだここにいたい
このままでいい
そう思ってしまうから
全部全部知らない。
何もなかったことにしようと思うのです。
会った事すべて。
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