ため息まで白い ![]()
はぁ、ついたため息は白く
どれほど冷えているかを物語っていた
「おはよー」
「おはようちゃん」
「おはようアル!」
いつものメンバー
妙ちゃんと神楽ちゃん
「もうすぐクリスマスね」
「そうだね…」
「どうしたアルか?いつもよりテンション低いヨ」
「だってさー…」
「どうせ一人寂しくクリスマスすごすんだ、とか考えてたんでしょ?それだったら男の一人や二人引っ掛けてきなさいよ」
「そんな簡単に言わないでよ」
大体付き合ったことすらないんだよ
私は…
放課後
思いの外話しすぎてしまい
バイト先まで走っていた
「ヤバっ…」
次の角を曲がれば着く
ちょっと気を緩めたそのとき
ドンッ
人にぶつかり
尻餅をついてしまった
「いったぁ〜」
「大丈夫?」
顔を上げると
そこには
ピンクの髪を三つ編みにし
ニコニコ顔の好青年がいた
「あ、はい」
おもわず見惚れてしまうほど
整った顔立ち
学ランを着てるところからして
彼もまた高校生だろう
「急いでるんじゃないの?」
「あっ!そうだった!」
そう言って急いでバイト先に行った
ため息まで白い
そのとき
私の頭の中も
真っ白になった
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