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それはまだ幼い頃の話 時を経る毎に少しずつ視力が奪われ やがて盲目になるという病を患っていた私は家族に見捨てられ、 気づけば宇宙海賊春雨の第七師団に所属していた。 恐らくは最年少だっただろう。 しかし年齢などは関係ない。 ここにいる以上幾つもの戦の中を生きていかねばならなかった。 見えにくい視野の中での戦は危険以外の何ものでもない。 その中で身体には自然に相手の気配を感じるようになったり 敵陣の情報を掌握し、行動を読み、先手を打ったり ただ力任せの戦い方ではなく知力を使った戦術まで身についた。 そういった事からいつしか 幼いながらに参謀に近いポジションにまでなっていた。 ある日の事だった 当時団長だった鳳仙が桃色の髪の小さな子供を連れてきた 「団長、子供を拉致してきたんですか。しかも夜兎。 さすが海賊の一師団の長です。尊敬できません。何してるんですか。」 「拉致とは人聞きの悪い。弟子だ。 今日からここに配属になったからあとは任せるぞ」 「自分で拾ってきたくせに押し付けるつもりですか。 ご自分で面倒見てやればいいでしょう。」 「ふん、生意気を言うようになったな。」 それだけ言い残して立ち去り 残されたのは私と少年だけだった。 それが私と神威との出会いだった。

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